なぜ舌で体調がわかるのか(東洋医学の診察法)

前回は東洋医学の特徴的な診察法である脈診をご紹介しました。おそらく脈診の次に有名な東洋医学独特の診察法に舌診があります。もしかしたら漢方薬局や東洋医学を専門に扱うクリニックで舌を見られた経験があるかたもいるやもしれません。なぜ舌から体調がわかるのでしょうか?

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表をもって裏を知る

舌は脾の外候

昔の中国ではある時代から解剖が禁止されていました。位の高い人の場合、医者といえども手足しか触れることができなかったという話もあるくらいです。そんな中でどうやって診察・診断すればいいのか研究されてきた歴史が東洋医学にはあります。

そんな中で先日の記事で書いた脈診と共に研究されてきたのが舌診です。舌は消化器の入り口であること、血色が良く見えることなどから東洋医学の診察に重宝されてきました。ちなみに舌の赤色は血液の色ですね。中医学では消化器系のことを脾と言いますが1、舌の上に苔(しろっぽもの)が空腹時と満腹時で変化していたりと、舌を通して脾の状態をある程度うかがい知ることができるので「舌は脾の外候」と呼ばれています。

舌は寒熱が見やすい

先ほどは脾(消化器系)と舌の関係を述べました。他にも舌の色は血液の色であるため、その色を見ることで身体の循環の程度を調べることができます。特に脈と違って舌は体の上の方にあるため、寒熱の所見が現れやすいのも特徴です。

少し画質が荒いですが、たとえばこの舌は紅舌と呼ばれて熱が身体にこもっている場合が多い所見です。ちなみに熱とは現代でいう炎症反応などを指していると考えられています。

一方でこちらは淡白舌といい、先ほどの舌に比べると白っぽいのが見て取れます。これはさきほどの熱証に対して寒証といい、体力低下や冷え性など代謝が落ちていたりするために見られる舌と言われています。

二つの舌を見比べると赤っぽいものと白っぽいものがあるのがわかっていただけると思います。このように舌の色だけでも、お身体がどのような状態なのかをある程度把握することができます。

舌と経絡

では寒熱と消化器系の状態だけしか舌で見られないのかというとそういうわけではありません。東洋医学には経絡というものが考えられています。例えば手にある合谷というツボで五十肩を改善したりと、一見関係なさそうな部分に繋がりがあるのが経絡です。この経絡は全身に走っており、舌にもつながるものがあります。

具体的には、5本の経絡と1つの臓腑2が直接舌に繋がっています。多くの経絡が集まるところはそれだけさまざまな反応が見られるため、診察に有用というわけです。

注釈

  1. 実際には脾は消化器系のみならず、幅広い意味があるがここでは便宜的に消化器系としています。 ↩︎
  2. 手少陰、足太陰、足少陰、足太陽、手少陽経筋の五つと肝の臓 ↩︎
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