盧 嘉林– Author –
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乾癬(銀屑病)について②
前回の記事はこちら乾癬について(現代医学)乾癬について① 前回、乾癬は鍼灸では比較的、治療方針が固まったお病気だとお話しました。そのキーワードが「血熱(ケツネツ)」伝統医学に触れない人には馴染みのない言葉ですが「血(ケツ)」は体を潤す物質・栄養... -
中秋の名月
10月1日は中秋の名月でした。当院でも診療後にお月見をさせていただきました。台風のない中秋の名月は久々な気がして珍しく?お団子たしなみながら秋の夜長。 新型コロナウイルスの騒ぎもあってか季節感を失いつつあったので、心なしか季節に合わせて体がリ... -
汗って何だろう?
発汗はデトックス? 汗をかけない人が増えている -
傷寒論 太陽病(上)2条
前回の続きはこちら・鍼灸師が傷寒論を読む・太陽病(上)1条 ざっくり言うと太陽病とは 脈が浮く、 頭(後頭部)が痛んで寒さを嫌う の二つの症状である。それでは次の条文をみてみよう。 太陽病、発熱、汗出、悪風、脈緩者、名為中風。 (2条) 前条の太... -
生理痛・子宮のトラブル(癥瘕)
ふと臨床で癥瘕(ちょうか)の話題が出たのでおさらい。 癥瘕(ちょうか)ってなんだろう?癥瘕は中医学に見られる一種の病症で、「腹部を触れた時に塊があり、張った感じや、痛みを伴う」といった症状をあらわします。多くは子宮や卵巣のトラブル(子宮筋... -
太陽病(上)1条
前回の続きはこちら 鍼灸師が傷寒論を読む 太陽と言うのは、お天道様のことではない。伝統医学では、体の一番表側のことをさす。つまりは「体の一番表面の部分に何か異常があるよ!」と言うのが太陽病。この「表面」と言うのは相対的(伝統医学のキーワー... -
傷寒論をよみとく
伝統医学には四大聖典と呼ばれているものがある。伝統医学の大きな枠組みを作った『黄帝内経』鍼灸の専門書である『難経』本草(生薬)の専門書である『神農本草経』そして今回取り上げる病気の症状と漢方薬の処方が書かれた『傷寒雑病論』 他の三冊が基礎... -
乾癬について①
乾癬は現代医学の病名であるが、古代の中国にも同じような病気はあった。それが銀屑病である。またの名を白ひとも言う 。完全に一致することはなくとも、かなりの部分で類似点が多いため、現代の中医学院(中国における東洋医学の専門病院)では乾癬=銀屑... -
乾癬の簡単なまとめ(現代医学)
乾癬の患者さんを診させていただくので現代医療的なまとめを書いておく。 疫学 乾癬は最もよく見られる皮膚疾患の一つで、世界人口の約2パーセントが罹患している。 所見と特徴 紅斑が見られ境界がはっきりとした丘疹またはペラペラとめくれるような鱗屑で... -
生理痛の症例
本日は、生理痛の患者さん。漢方薬で、生理痛といえば「桂枝茯苓丸」であるが、鍼灸ではどんな経穴を使えばいいのだろう。今回は特に激しい生理痛で、まさしく一日中布団にくるまっていたようす。しくみとしては、内膜が剥がれる際に子宮が収縮して起こる...