傷寒論 太陽病(上)4条

前回の続きはこちら
傷寒論 太陽病(上)1条
傷寒論 太陽病(上)2条
傷寒論 太陽病(上)3条


今日は4条を見ていく。
4条では「」と言うキーワードが出てくる。
現代医学と同じように、伝統医学でも鑑別は行われていた。

どの症状にはどんな薬が合うのか
この症状の経過は良いのかもしくは悪いのか
それは現代でも古代でも、医療者における一大事
であることに違いはないだろう。
この章の太陽病は最も浅い(軽い)病であるため
「伝」は悪化を意味する。

傷寒一日、太陽受之。
脈若静者、為不伝。
頗欲吐、若躁煩、脈数急者、為伝也。(4)

「脈若静者」とは、脈が早くない事を言う。

ちなみに脈が早いか遅いかは患者の呼吸が基準になる
1呼吸の間に4回打つのを基準として
それよりも早いものを「(さく)」と呼ぶ。


この辺りは1分間に何回打つかという評価をする
現代医学と少し違うところなので、気をつけたい。

いま太陽病の症状が出ているとする。
脈が1呼吸に4回を越えない場合『不伝
まだ太陽病であると判断する。

逆に「吐き気(頗欲吐)」「胸の熱感(若躁煩)」
脈が1呼吸間に5回以上打つ(脈数急)」
などがあれば『』とする。
病は悪化しており、見立てを考え直さなければならない。

参考文献
『傷寒論解故』 鈴木良知 著
『傷寒論』人民衛生出版

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