乾癬(銀屑病)について②

前回の記事はこちら
乾癬について(現代医学)
乾癬について①


前回、乾癬は鍼灸では比較的、
治療方針が固まったお病気だとお話しました。

そのキーワードが
血熱(ケツネツ)」

伝統医学に触れない人には
馴染みのない言葉ですが
「血(ケツ)」は体を潤す物質・栄養する物質
「熱(ネツ)」は炎症・異化作用の亢進
と今では考えられています。

二つの文字を合わせた「血熱」は
ざっくりと言えば、何らかの原因で
自身で潤すことができなくなり、
機能が亢進した炎症状態
といえるわけです。

さらに「熱」は
単なる機能亢進・炎症(実証)と
乾燥を伴う場合の多い代謝性の炎症(虚証
に分けられます。

乾癬(銀屑病)の場合は
名前からもわかるように非常に強い乾燥症状が
見られるため、単なる炎症というわけではなく
何らかの原因で皮膚を潤す作用が阻害され、
皮膚の異化作用(ターンオーバー)が異常に亢進して引き起こされる状態」と
伝統医学でも考えることができるでしょう。

この辺のお話は近年、病理学でも乾癬には免疫系統でのトラブルがその原因だといわれているようです。用いている言葉は違えど、現代医学と伝統医学で見解が似通っているというのも面白い話ですね。


鍼灸では微細な刺激によって
血液の流れをコントロールしてくれるので
皮膚表面に適度な血液を集めてあげることで
皮膚を潤し」「皮膚のターンオーバーを抑える」ことが
できるっていうわけです。
参考文献
『中医症状鑑別診断学』
『中医皮膚科学』


ただし理論的には簡単そうですが
・どれくらい刺激を入れれば皮膚が潤うのか?
(刺激しすぎは炎症を助長してしまいます)
・その日の患者さん自身の状態はどうか?
(同じ刺激でも疲れている時は、大きな刺激として反応します)

この辺りは鍼灸師の腕の見せどころ
お身体を丁寧に診察してから施術に
入ってくれる先生がオススメです。

当院でも皮膚のトラブルでお困りの方へ
少しでも助けになればと診療しております。
まずはお気軽にご相談ください。
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