現代医学には
clinical pearl(クリニカル・パール)
という言い方があるらしい。
証明されたものも、されていないものも含めて
優れた臨床医が残した格言(臨床的叡智)
のようなものと説明されている。
翻って伝統医学にも様々な名言が残っている。
統計の発想がないこの医学では
老中医(名医)の名言は
まさにclinical pearlと言い変えることが
できるのかも知れない。
ここではそんなclinical pearlを紹介する。
前回のお話はこちら
不眠症のパール(胃からの展開)
不眠症のパール⑵(疲労からの展開)
その不眠が
「痰」、「火」、「寒気・水気」や「飲食憤怒」
によるものであるならば
内邪が鬱滞・逆乱したために起こるである。
《張景岳・景岳全書》
前回よりは複雑なタイプの不眠なのだろう。
ふと思い悩んでいたら夜が更けていた
または
何もしていないのに寝れない等々
やや複雑なタイプに多いだろうか?
だんだんと寝られなくなると
体力が削られて
「疲れすぎて眠れない」
⇅
「思い悩んで眠れない」
という負のループに陥るから恐ろしい。
一時的に服薬の効果を感じるが
段々と効かなくなって来る方もちらほら
とりあえずは
服薬以外の治療法が
あることを知るところから始まることも多い
専門的に言えば
ここでいう内邪は
火や痰、七情、不内外因で
「環境による身体への悪影響(外邪)」
を抜いたものと考えるのが妥当だろう。
また
「邪実を見たら虚を探せ」
というパールも合わせて考えて行きたい。
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