頭痛と認知症(釣藤散について)

先日、耳鳴りや難聴についての当院の考え方をアップした。
この中で出てくる釣藤散という漢方薬がなかなかに
興味深かったので備忘録としてまとめておく。


目次

釣藤散

前置きとして、釣藤散は病院などで
頭痛」が主訴の患者さんに出されることが多いようである。
しかしその応用範囲はもっと広いように思われる。

釣藤散は今から800年ほど前の医学書
類証普済本事方ルイショウフサイホンジホウ』に登場します。
その本の中では「肝厥頭暈カンケツズウン」という症状に使われていました。
(なにやら漢字が沢山で難しいですね・・・)

「肝厥頭暈」というのは
一種の高血圧やのぼせによって起こる
めまい・ふらつき・不安感・神経症」などを
総称したものだと今では考えられています。
(症状の中に「頭痛」が含まれていないのが
なかなかに興味深いところです。)

漢方薬の中身は割愛しますが、
うまく上の方(頭部)の症状へ効かすように
漢方薬が組み立てられています。
このためか、昭和の漢方の名人・大塚敬節
朝方に頭痛があり、日中にかけて改善する
タイプの頭痛に著効だと格言を残しています。

またエビデンスが叫ばれる現代で
釣藤散は比較的研究が進んでいる漢方薬の一つです。
血管性の認知症に対しては一定の効果があることが
証明されて2010年の認知症ガイドラインに採用されました。
また釣藤散の効果についての研究も進んでおります。

現代医学と伝統医学の二つの観点から鑑みるに
釣藤散には頭部の血流や血圧改善することで
様々な症状に対応することができるのではないかと考えられます。

針灸においても、風池穴などを応用しすることで
釣藤散のような効果を導けるのでは?
なんて当院では思っております。

それでは!

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