しびれ・痛みでお困りの方へ

痛み
目次

はじめに

しびれにはさまざまな原因があり、
日本整形外科学会によれば、腕にしびれだけでも、手根管症候群、肘部管症候群、橈骨神経麻痺、胸郭出口症候群などが上げられいます。この他にも脳のや脊髄でのお病気、糖尿病によるものなど原因は多岐に渡ります。

難しい用語が並びましたが、「しびれ」一つとってもさまざまな原因があるということが分かるかと思います。

素人と専門職の違いはこの原因を見つけることができるかどうかにかかっており、
上手な先生ほど診察に時間をとったり、お話を注意深く聞かれていることが多いように思います。

しびれや麻痺は原因がはっきりするもの(しこりがあるetc)は手術によって改善することが多く、整形外科の先生の腕の見せ所です。しかし原因がはっきりしないものは、日にち薬(保存療法)となることも少なくありません。これは何も腕のしびれに限ったことではありませんが、原因が分からないとあらゆるお病気は治療が難航してしまいます。
では、鍼灸なら、東洋医学ならできるのか?と言われれば、鍼灸でも同じく原因が分からないと治療が難航しやすいです。ただし、現代医学、西洋医学とお体を診るポイント(重視する部分)が違うという点で改善することが多いのです。

東洋医学ではどう考えるのか?

痛みや痺れは「痹」と言われて長い時間をかけて治療法が研究されてきました。

「痹」とは「詰まって流れない」という意味があり、
何らかの原因で局所的に流れが詰まると痹証であるとされます。
鍼灸治療では、この詰まった部分を解きほぐすことで、症状が改善して行くのです。
ではその何らかの原因とは何なのでしょうか。

しびれ・痛み(痹)の原因と特徴

痹は「風寒湿」によって起こるとされてきました。
さまざまな考え方がありますが、現代風に解釈すれば
「風(フウ)」は自律神経の異常、
「寒(カン)」は血液流れが悪くなること(循環量の低下)、
「湿(シツ)」は浮腫などの水分の代謝異常に近いでしょう。

この三つが組み合わさって引き起こされるのが「痹」です。
しかし単純に三つが組み合わさって症状が現れるだけでなく、
三つのうちのどれかが親玉(主役)になることで、
現れる症状に差が出てきます。

行痹(動きまわる痛み)

風が強い場合(風>寒湿)、自然にある風のように痛むところが、あちこちに移動したり、痛む時と痛まない時があったりと、症状が一定しないという特徴を持ちます。

風

痛痹

次に寒が強い場合(寒>風湿)、もっとも痛みが強く現れます。
自然に感じる「寒さ」のように、
冷やすとより痛みが増し、温めると痛みがマシになるといった特徴があります。
痛みは固定的で風が強い場合のように、痛む場所が動くことはありません

寒邪

着痹(治りにくい痛み)

最後が湿が強い場合(湿>風寒)で、痛みはそこまで強くないのですが、
施術に時間がかかるタイプです。
自然界の湿気のように、ジメジメと体にまとわりついて「体が重い」、
雨の日に疼くと行った特徴があります。
また人によってはお小水(小便)の出が悪くなったり、
汗をかきにくくなったりされるようです。

湿邪

その他、特殊な痛み・しびれ(痹証)

痹には「詰まる、流れない」という意味があるので、さまざまな症状の原因となりますが
代表的なものに、現代で言う内臓の病気も含む蔵痹、体が弱って起こる痹証
歴節風(現代で言う痛風)などがあります。

蔵痹(最も重症なもの)

伝統医学から見て五蔵六府への流れが詰まることで、起こります。
ここまでの病状だとクリニックや病院との連携が必要なので、詳細は割愛しますが、
心痹・肝痹・脾痹・肺痹・腎痹・腸痹・胞痹などがあります。
このうち、心痹は現代医学でいう冠状動脈疾患や不整脈が近いと考えられています。

疲労によるもの

痹証の原因は風寒湿だ、と先ほど書きました。
ただ健康な人と疲れている人ではどちらがかかりやすいでしょうか?
言わずもがなですが、特にいつもより疲労が溜まった後に症状が出る場合、
優しい刺激で、ゆっくりと精がつくような施術が必要となります。
代表的なものは血痹ですが、気虚痹、血虚痹などもあります。

歴節風(いわゆる痛風)

これは現代で言う痛風です。
またの名を白虎歴節と言ったりします。
あまりの痛さに白虎が吠えるようにうめき回ると言う由来だそうです。
現代医学では、「尿酸値」と言うものが大きな原因だと分かっていますが
伝統医学では、はりきゅうと漢方で治療していました。
ただし、治療だけでなく食養生もとても大事だと言うことは言わずもがなです。

痹証の深さ(専門家向け)

ここの項目は専門的な内容です。
興味のある方は読んでください。

鍼灸でしびれ・痛み(痹証)を治療する場合、深さがとても重要になります。
先ほどの特徴に加えて、伝統医学では深さを五層に分けて治療します。

皮痹(症状が表面的なもの)

主に皮膚の冷え・しびれが現れるもの。
一種の蕁麻疹のような症状が見られることがあります。

肌痹(皮膚炎)

別名は肉痹。より深い場所で起こる病で、皮膚の痛みを主訴として、
発汗、手足のだるさが現れる。
現代医学における皮膚炎に似ている。寒邪と湿邪との関連が深い。

脈痹

血脈に痹が現れる。皮膚の灼熱感や疼痛、皮膚の紅斑、不規則な発熱などが見られる。
医書である『張氏医通』では「脈痹は熱痹なり。」と言われる。

骨痹(痛む場所が奥深いもの)

もっとも深い痹証の一つ。
深くなるほど病としては重い。
症状は、骨痛、麻痺などを主として、
四肢が緊張して、関節の浮腫が見られる。
寒邪の影響が大きいと考えられている(『張氏医通』)

痛みをとりたい!!

長々と解説してきましたが、どうでしょうか?
伝統医学では、現代医学とはまた違った分類でお病気を見ていることを
知っていただけると嬉しいです。
痛みと言う言葉(痹)は2000年以上前の医書にも登場して
東はアジアから西はヨーロッパはたまたアフリカ諸国まで
人々を苦しめてきました。
もちろん中国伝統医学でも、
これを取り除く方法はずっと研究され続けているのです。

鍼灸では、この痛みの特徴(風寒湿)痛みの深さ(皮肌脈筋骨)を見分けて
適切な深さと方法でツボ(経穴)にアプローチすることで症状を改善します。
手術のように大きく切ったりはったりはしませんので
そんなので効くの?
なんて言われそうですが、体にある回復力を最大限生かすと言う意味では
こう言った治療が最も良いだろうと僕ら鍼灸師は考えています。

どのくらいで治るの??

結論から申し上げて、
どのくらいで症状が改善するかは分かりません。
人によりけりと言うしかないでしょう。

その人の体力的や健康・生活習慣の側面に
加えて何を治療のゴールとするのか?
痛みが少しでも取れたらいい」のか
日常生活が無理なく送れるくらい」なのか
それとも
スポーツなどのハードワークでも大丈夫
なくらいまで治療するのか?

治療回数は
クライアント(患者さん)との目標設定によります。

とは言えどれくらい治療すれば良いのか分からないと
不安になることも多いかと思いますのであえて述べますと
あくまでも感覚的な物で
平均をとると5~10回程度の治療ゴールまで
たどり着けることが多いように思います。

勿論これより長くかかる方もいれば、
あれよあれよと治っていく方もいらっしゃいます。
あくまでご参考までと思ってくだされば幸いです。

つらい症状でお困りの方へ

痛みが取れるだけで、
体だけでなく心も実は軽くなるものです。

相談料等は一切頂いておりません。
お困りの方はぜひ一度、気軽にご相談ください。

少しでも痛みで苦しむ方々が減ることを願って・・・
花梨堂鍼灸院 盧嘉林

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