前回の条文では、
伏気温病が外感(環境要因)
だけでなく内傷(体内の要素)が
大きく関わると読むことができた。
さらにこの章では
内傷を深掘りして「不蔵精」が
伏気温病の原因の
大きな要素であると述べる。
つまり伏気温病は外感でありながら
内傷の要素が大きいのであろう。
《金匱真言論》曰「夫精者身之本也、故藏於精者、春不病温」
・・・この一節は、まさに月令と参看し、上条の「冬に寒に傷る」と互看すべし・・・《上古天真論》にすなわち男女の陰精の生ずる所以、長ずる所の所以、枯る所以の理をいう。・・・次章に緊接せる《四気調神大論》に「春に養生しもって、夏を奉長の地となし、夏に養長しもって秋を奉収となし、秋に養収しもって冬を奉蔵んの地となし、冬に養蔵しもって春を養生の地となす」と人に示す。・・・けだしよく精を蔵する者は、一切の病患を皆しりぞくべし、あにひとり温病のみ然りとなさんや!・・・
「精」は東洋医学独特の身体の捉え方で
様々な要素を含むが
呉鞠通の解説と引用された『素問』
によれば四季に応じた
「睡眠」と「気持ちの整理」に
よって養うことができると読める。
「睡眠」と「気持ちの整理」というと
あまりにもありきたりな
予防法だなあと思うのだが
日常生活での予防こそ最高の医療の
一つなのだろう。
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