東洋医学から見た症状【体が重だるい(身重)】

身重

なんとなく身体が重だるいというのは
誰でも経験があるのではないでしょうか?
医学的には倦怠感と呼ばれる状態ですが
働き過ぎ(過労)やストレス、
食事や生活習慣の乱れなどなど
さまざまな原因があると言われています。
身体の重だるさは主観なので
数値化するのが難しく検査で不調が
現れないこともよくあるので厄介です。

身体の重だるさは
2000年前からあったようで
素問という本にはこんな一説が登場します。

黄帝問曰。
余聞風者百病之始也。以鍼治之奈何
岐伯對曰、
風從外入、令人振寒汗出。頭痛身重悪寒、治在風府、調其陰陽、不足則補、有餘則寫。

『素問』骨空論篇第六十

風府(フウフ)とは首にあるツボです。
難しい解釈はいろいろありますが
「身重」という症状に首のツボを使って
治療しているということが伝わってくれると
ありがたいです。
では東洋医学の中ではどう考えているのか紐解いてみましょう。


目次

「身重」とは

「身重」とは

手足が重く
動かしにくい
寝返りが打ちづらい
などをまとめて身重と言います。
脳卒中などの後遺症による体の重だるさは
除くのが一般的です。

東洋医学ではどう考えていた?

清代の名医・張玉路は体の重だるさを
こんな風にを言っています。

身体が重だるいのは湿によるものが多い!
身重多属于湿。

『張氏医通』


しかしこれはある種の言い換え
というやつで「湿」というもの自体が
粘っこい感じや重い感じ
を症状とするものの総称です。

湿が溜まりやすいとは?

湿が溜まりやすいとは?

湿が溜まりやすいものにはさまざまな理由がありますが
大きく分けると2つあると考えられます。

①冷え

冷え

東洋医学的に言えば陽虚という状態です。
湿のような重たく
身体が動かしにくくなる状態は
活動力=熱が不足している
東洋医学では考えています。

具体的には
冷える
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
汗やお小水が出にくくなる
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
体に湿が溜まる
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
身体が重だるくなる

といった理屈が考えられています。
身体を温めて、汗やお小水(尿)が
出やすい環境を整える施術

行うことで自然と回復へ向かいます。

漢方薬で言えば真武湯などを使い
腎陽という温める力を強化するお薬を使います。

②湿度の高い環境(梅雨など)

湿度の高い環境(梅雨など)

梅雨の日は身体が気だるいと
誰もが感じたことあるかも知れません。
それまで何ともなくとも、
急に身体の重だるさを感じた時は
外部の環境を疑ってみるのも一つです。

東洋医学では外因という名で、
本人は健康なのに外部の要因で
不調が現れることがあると考えていました。
漢方で例えると羌活勝湿湯のような、
身体の体表にある湿を汗と共に発散させるような
施術を行います。


どんな施術をするの?

どんな施術をするのか?

鍼灸施術の場合、
針もそうですが、お灸の相性が非常に良いです。
ツボをピンポイントで温めることで効率良く、
発汗や利尿を促したり
身体を温めたりすることができます。

冷えからくる場合
下腹や足首など冷えて滞りやすい部分への施術
梅雨など外部の環境によるもの
手首や肩や首などから施術をすることで
一時的に肩や首などの血流量をあげることで
発汗しやすい状態を作り出します。


このように同じ症状でも
お身体の状態によって
施術方法を変えてそれぞれの方に合った
オーダーメイドの施術ができるのも
鍼灸専門院だからこそです。

お困りの方は是非一度ご相談ください



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