ストレス社会と言われる現代ではストレスといかに戦うかという名のものといろいろな養生法が繰り広げられています。ストレスに効くと名高い太衝穴の効果をみてみましょう。
目次
太衝穴の特徴
解剖学的な特徴
太衝(たいしょう)は足の親指と人差し指の間で母趾伸筋腱の外縁にある。足背動脈の枝である第一背側中足動脈が通り、指で拍動を触知できます。さらに表層では骨間筋・深層では母指内転筋などが通ります。
運動神経では足首を返す動作(伸展)をつかさどる筋肉を支配する深腓骨神経が支配しており、一方で感覚神経は腰にあるL5の神経根を通じて足背の感覚をつかさどります。
東洋医学的な特徴
太衝は足厥陰肝経にある経穴です。伝統的には原穴という特徴を持ちます。原穴は対応する五臓六腑と関係が深く、手足のツボでありながら内科的な施術ができることが知られています。太衝穴では、下痢(飧泄)1・鼠蹊ヘルニア(狐疝)2・尿漏れ(遺尿).尿が出ない(閉癃)3・女性の不正出血4などが適応となります。また太衝は足厥陰肝経が下腹部と深く関わる関係から、下腹部の高さにある筋肉や部位に効果があります。具体的には、腰痛・腹の張りなどがあります。
その他の使用例として体重減少(羸痩)5などには使われてきました。一方で多くの情報サイトでは太衝はストレスに効くとありますが、古典的にそのような記載はほぼありません。また現代の日本であまり使われなくなった使用例として、瘧(マラリア)・痙病(破傷風)・黄疸などがあります。
現代での応用
現代ではあまり太衝に注目した研究はあまりありませんでした。高血圧の治療に使われたり6、かろうじてうつ病やアルツハイマー病7などで使われているようです。
参考文献
- 「飧泄、太衝主之。」『鍼灸甲乙経』 ↩︎
- 「狐疝、太衝主之。」『鍼灸甲乙経』 ↩︎
- 「腰痛、少腹満、小便不利如癃状、羸痩、・・・」『鍼灸甲乙経』 ↩︎
- 「女子漏血、太衝主之。」『鍼灸甲乙経』 ↩︎
- 「太衝主羸痩、恐、気不足・・・」『備急千金要方』 ↩︎
- Acupuncture at LR3 and KI3 shows a control effect on essential hypertension and targeted action on cerebral regions related to blood pressure regulation: a resting state functional magnetic resonance imaging study
↩︎ - Effect of Acupuncture Stimulation of Hegu (LI4) and Taichong (LR3) on the Resting-State Networks in Alzheimer’s Disease: Beyond the Default Mode Network ↩︎
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