目次
内関の由来
内関の名前の由来は二つある。一つ目は体の部位的な意味として、もう一つは経穴の効果としてである。
内関は、手首の「内」側にあり、また手之厥陰心包経の絡穴であるところから手之少陽三焦経に通じる関所である。ここから内関と名付けられたのが一つ。
もう一つは、『霊枢(終始)』に「陰溢れるを内関となす。内関、通ぜざれば死して治せず」という一説があり、この内関という病を治療する意味で内関と名付けられた。
またちょうど手の甲側の同じところに、外関という経穴があり、こちらは表証によく使われるため裏証によく使われる内関と対比されることが多い。
内関穴の特徴
解剖学的な特徴
手首の横紋(しわ)から2寸(指3本分)。
手首を曲げた時にできる2本の腱のあいだに取ります。
直下に正中神経があるので、少し深く刺すと手全体にビリッと痺れるような感覚が広がることがあります。響きは他の経穴より強く出るので、丁寧に刺鍼することが必要です。
東洋医学的な特徴
さきほどの経穴の由来にある内関の病は別名、内格ともよばれ、陰気が閉塞して鬱滞するために起こる病と考えられています。内関はこれに効果があると古くから考えられており、胸やみぞおちの鬱滞を発散させる作用が強いとされています。1
内関が船酔いによく効くと言われているのも、この作用によるものと考えられます。
また当院の見解としては考え事や悩み事が多いとこの内関のツボが熱感をもつような状態になっていることが多いです。ぜひセルフケアの一環として、手首の温度を比べてみるのもおすすめです。
現代での応用
現代では、内関は吐き気に応用されており、手術の術前や術後で改善したと言う報告があります。2
一部の病院では、お薬の副作用による吐き気へこの内関の指圧を推奨しているところもあるようです。
参考文献
- 治伤寒发热,胸满腹胀,心痛,肠鸣冷痛,脾黄,癖块,泻痢,食积,咳嗽哮喘,肠风痔漏,五淋。”『扁鹊神应针灸玉龙经』:44) ↩︎
- The effectiveness of PC6 acupuncture in the prevention of postoperative nausea and vomiting in children: A systematic review and meta-analysis ↩︎
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