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機能性ディスペプシアとは
定義
当院でも最近症例が増えている機能性ディスペプシア。そもそもディスペプシアdyspepsiaとは胃の不快な症状の総称です。胃酸が逆流する逆流性食道炎(GERD)やストレスで下痢をしてしまう過敏性腸症候群(IBS)などと合併することも多いです。
様々な症状が見られる機能性ディスペプシアですが消化器学会では下記のように定義されています。
症状の原因となる器質的、全身性、代謝性疾患がないのにもかかわらず、慢性的に心窩部痛や胃もたれなどの心窩部を中心とする腹部症状を呈する疾患
日本消化器学会ガイドラインより抜粋
機能性と器質性
お病気にはさまざまな分類がありますが、器質性と機能性というのも一つの分類方法です。器質性とは、胃がんやポリープなどデキモノができるものや胃炎など炎症があるものを言います。対して機能性というのは、胃カメラなどで見ても異常がみられないにも関わらず不快な症状があるものをいいます。
昔は胃神経症と言われたり慢性胃炎として扱われたりと、胃のよくわからない病気という扱いでしたが近年研究が進んできちんと病気として扱われるようになりました。検査で異常がなくても患者さんが不調を訴えるものが病気として認められたのはうれしいことですね。
機能性ディスペプシアの診断基準
ガイドラインでは6ヶ月以内に症状を経験し胃の不快な症状が3ヶ月以上続くものとされています(Rome基準)が、3ヶ月未満でも十分判断が可能と考えています。実際、機能性ディスペプシアと診断をうけた方を追跡調査した結果、発症してから1ヶ月の方と6ヶ月以上不調では症状の強さが変わらなかったというデータ1もあります。鍼灸治療にしても内科での治療にしてもなるべく早めに治療開始するのがよいと当院では考えております。
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