今日は時事ネタです。
鍼灸は受けてみないと分からない世界
うつ病多いですね。このコロナ禍で自殺者が増えているというニュースが話題を呼びました(「新型コロナ禍で急増する女性、若者の自殺。ライフリンク清水さんが説く「自殺は個人ではなく社会の問題」)。鍼灸をしっかりと行なっている治療院であれば、うつ病の方を見る機会は比較的あるのではないでしょうか?しかし実際、「ほんとうに効くの?」みたいな話は世間的にはよく言われることです。現状では受けてみなければ、良さが分からないことは鍼灸の弱みかもしれません。そんなわけで鍼灸は敷居が高いなんて言われることもあります。
心身一元論という考え方
鍼灸には心身一元論という考え方があります。簡単に言えば「心と体は繋がっているよ」ということです。例えばこんな場合を考えてみましょう。試験前で緊張して下痢をする。これは心が体に影響を与えたという場合です。一日中家にいると気分が鬱々としてくる。これは体が心に影響を与えたという場合です。「心→体」「体→心」この二つを認めてあげようという発想が、鍼灸・東洋医学にはあります。
鍼灸には、身体を整えることで凝り固まった心を緩めようね、という技術があるのです。少し遠回りな気もしますが、直接心をコントロールしようとしないという意味では優しい施術だとも言えるのかもしれません。また当院での鍼灸治療の考え方もご参照ください(「鍼はなぜ効くのか!?」)
5週間、計10回で改善
普段は患者さんによって施術部位を変えますが、キーコスタイルという施術法・評価法(KSAS)を用いて臨床研究が行われました。臨床現場にいる鍼灸師としては、同一の経穴部位に施術すると施術効果が下がりそうですが、結果は良好。抑うつ・不安・怒りの感情が改善したというデータが取れたということです。
被験者はうつ病・双極性障害・神経症など162人でした。針灸がうつ病を治せるかどうかは疑問が残るところですが、自覚症状である気分障害が落ち着くというのは希望が持てる事実ではないでしょうか?
副作用が少なく、効果を実感しやすい
特筆すべきことは、うつ病の治療薬に比べて副作用が少なく、また効果をほとんどの被験者が実感したというデータもありました。実際に鍼の効果かどうかは、今後の研究次第ですが、ゆったりとした空間でお話を聴きながら行う施術にはリラクゼーション的な要素も一連の針灸施術の中にはありそうです。
薬物治療を減らせるかもしれない
うつ病には現状で薬物治療がありますが、
「薬漬けになるのではないか?」
という不安を抱えている方は少なくないと思います。うつ病という言葉が社会で認めらていったように、「うつ病をよくするなら、針灸施術一緒にやろうよ」と自然と言える社会がやってこれば良いなと思う今日この頃です。
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