傷寒論 8条9条(病の経過)

傷寒論は主にお薬の本であるが
この条文では鍼をする記述が出てくる。
著者の張仲景は、湯液(漢方)の専門家であるが
鍼灸に対しても通じていたらしい。
当時は「鍼灸・湯液・導引」全てできて一人前の医者
と言われていたのだから当然かもしれないが・・・

今の日本だと法制度のためにそんな広範囲に学ぶ人は
非常に稀であるだろうから、羨ましい限りである。


太陽病、頭痛至七日以上自癒者、以行其経尽故也。
若欲作再経者、鍼足陽明、使経不伝則癒。(8)

太陽病で頭痛が七日以上続くようなら治るという。
独特の考え方ではあるが、
伝統医学では経絡は巡るという発想があり、
巡っている流れが止まると病になるという。

七日というのは一種の比喩
六日間で六つの経絡を巡るという発想があり
それが終わったという意味で捉える方が
現実の臨床に合うように思う。

次に文中の「鍼足陽明」は過去の文献一致で
足三里穴と言われてるようである。
個人的には足三里だけでなくてもいいと思うのだけれど

脾胃に鬱滞がないことは病の経過に対してとても重要

ということがこの刺鍼から読み取れるように思う。


太陽病欲解時、従巳至未上。(9)

」は時間のことで、9〜11時ごろ
」は13〜15時ごろ、のこと

この条文は
太陽病は9時〜15時ごろに治ると言っている
のだがこれも一種の例えと捉えて欲しい

9時〜15時は1日の中で最も温かい時間
つまり陽気が強くなる時間である。
個人的には
太陽病の回復には陽気の充実が重要ということが
分かれば臨床的には十分だとうと思う。

参考文献
『傷寒論解故』 鈴木良知 著
『傷寒論』人民衛生出版

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