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傷寒論 太陽病(上)1条
傷寒論 太陽病(上)2条
インフルエンザが流行るとこぞって議論になるのが
この条文の「傷寒」である。
典型的な悪寒、関節痛、それに加えて吐き気
これに展開の早い臨床像を示せばまさにインフルエンザ
とクリニックでは診断されるだろう。
ただし、「傷寒」=インフルエンザではない。
ある種の喘息や鼻炎、リウマチなど様々な応用がある。
それでは原文も見てみよう。
太陽病、或已発熱、或未発熱、必悪寒、体痛、嘔逆、脈陰陽倶緊者、名為傷寒。(3)
診察時に発熱は無くても良いが、必ず悪寒がある。
そのほかにも
「体痛(関節痛)」「嘔逆(吐き気)」
の症状に加えて脈は「緊」という。
病気の主戦場は身体の表層(太陽)である。
「傷寒」と言うだけあって
身体の表層の血流量は減り、寒さを感じる。
体幹と体表の血流量の差が強くなるために「悪寒」
その体温をあげようとして「体痛」「嘔逆」が起こる。
また体温を逃さないようにする工夫、身体の反応が
おそらく緊脈(血管壁の緊張)として脈で触れるのだろう。
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