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鋒鍼(ほうしん)
4つ目は鋒鍼(ほうしん)です。時を象った針と言われています。季節による不調が長期化したものに使い、経絡や五臓にある不調を取り除きます。長さは1寸6分なので、今の縮尺で3.7cmくらいでしょうか。こちらも小さい針ですね。現代でも刺絡という形で伝承されている鍼です。
鈹鍼(ひしん)
5つ目は鈹鍼(ひしん)です。音を象った鍼だと言われています。長さは幅が2分、長さは4寸とあるので、幅が4mm・長さが9.2cmといったところでしょうか。少し幅があるのは、膿などを出すためであり、今で言うメスに近い使い方をされていたと考えられています。
員利鍼(えんりしん)
6つ目は員利鍼(えんりしん)です。律を象った鍼だと言われています。経絡上にあるシビレやリウマチなどを取るときに用います。長さは1寸6分なので、3.8cmといったところですね。現代ではあまり使われていませんが、刺さらない形に改良されて、小児鍼として普及しています。
まとめ
原型を留めないものもありますが、色々な形で九鍼は現代に残っているのは面白いですね。鈹鍼はメスとほぼ同等なので、現代の日本で鍼灸師が使うことはありませんが、
「尖っていて刺したり、切ったりできる医療用の道具」
という意味で鍼という文字がつかわれていたことが九鍼を見るとよくわかりますね。
つづく
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