鍼灸施術でアトピー性皮膚炎が改善できるのは、伝統医学の世界にいる人なら知っているところですが、なかなかなぜ鍼灸が効くのか?どれくらい効果があるのかということについてはまだまだコンセンサスがないのが現状です。
「アトピー性皮膚炎で鍼灸施術を行うとどんな効果があるのだろうか?」
そんな鍼灸師なら一度は聞いてみたくなるような疑問を答えるような論文が
グーグルスカラーにあったのでみてみようと思います。
目次
鍼灸施術におけるアトピー性皮膚炎のマネジメント:システマティックレビュー(Efficacy of acupuncture in the management of atopic dermatitis: a systematic review)
細かい話はのちほどするとして、まずは結論をみてみましょう。
鍼灸施術によって「皮膚の痒み」は軽減される可能性がある。
鍼灸施術によって「IgEを介するアレルギー反応」を抑制できる可能性がある。
「痒み」も「IgEを介したアレルギー反応」もどちらもアトピー性皮膚炎に特徴的な症状ではあるが、アトピー性皮膚炎を直接対象とした研究はなかった。
少し噛み砕いて説明すると
「鍼灸は『痒み』と『炎症』コントロールできるよ」
「アトピー性皮膚炎の主訴は『痒み』と『炎症』なので鍼灸でコントロールできると思うけど、データが足りないからまだまだ研究が必要だね」といったところでしょうか。
病名ではなく症状や人に重きを置く東洋医学らしい結果となりました。今後しっかりと研究が進んでアトピー性皮膚炎に対する鍼灸の効果を解明して欲しいですね。
次のページでは、論文の内容を深掘りしてみましょう。
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