合谷はこんなツボです!!!
合谷(ごうこく)は手にあるツボで、別名は虎口(ここう)。ちょうど親指と人差し指の間にあります。代表的な効果は以下の通り
歯の痛み(歯痛) , 肩こり・五十肩(肩痛) , 肘の痛み , 偏頭痛 , 耳鳴り , 風邪 , 神経痛 , 目の痛み , 鼻血 , 鼻炎
中国針灸穴位通鑑より一部抜粋
「五十肩や偏頭痛、肘の痛み、神経痛」などには当院でも良く使うことが多いです。症状を並べていきましたが、まとめると合谷には以下のような特徴があると考えられます。
- 合谷が通る経絡に対して効果がある(肘や肩、首など)
- 特に合谷は顔面や頭の症状に対して効果的(鼻血、耳鳴り、偏頭痛、目の痛みなど)
- 鎮痛、抗炎症作用(清熱)があるので、痛みのあるお病気には効果的
ではそれぞれの特徴を見ていきましょう
手のツボが肩に効く!?
「身体は繋がっている」
そんなことを考えてみたいとおもいます。少し実験をしてみましょう。
右肩を左手でしっかりと押さえたまま、右手首を左右前後にぐるぐると動かしてみてください。手首動かしてるのに肩も同時に動きませんか?身体は部分のみで動いている訳ではなく、連動して動いていると言うことが分かるかとおもいます。
中国の古代ではこの身体が繋がっているということを、すごーーーく研究していました。そしてこの身体が連動していくルートを「経絡」と言うのです。経絡は伝統的に20本あることが知られています(正経12本、奇経8本)。この経絡は決して古い考えというわけでもなく、現代だとアナトミートレインと言う名前で、西洋医学の機能解剖の面から再び解釈されています。
合谷もこのルート上(経絡)にあるツボで、この体の繋がりを活性化・改善できる力があるのです。すごいですね合谷。合谷が通る経絡は上の画像のように、手から肘、肩を通って鼻、歯の裏側、目の下まで通ります。その通過部分に異常があると合谷を使って、症状を改善することができるのです。特に五十肩や肘痛には即効性がある場合があります。すごいですね合谷。
面目は合谷に求める!?
また上の症状を眺めてもらうと、合谷は体の上部(特に顔面部、頭部)に効果が集中しているのが分かるかと思います。目や鼻や顔は他の身体の部位と違って、外気と触れやすいというのが特徴です。そのため、外気の影響を受けて現れる症状(花粉症や結膜炎など)に対して効果的に使うことができます。他のツボにも似たような効果がありますが、合谷は取り分け顔面部や頭部への効果が高く治験例が多いのです。そんなわけで「面目は合谷に求める」という臨床での格言が生まれました。
こんな性質もある合谷
合谷は「清熱」と呼ばれる効果が強いツボということでも知られています。清熱とは、「身体を冷ます」という意味で、炎症を抑える効果や痛みを止める効果があるということです。ちなみに「鍼麻酔」という麻酔薬を使わずに針灸で麻酔の効果を引き出すことができると1971年に発表されて世界を驚かせたことがありました。その時に使われたのがこの合谷というツボです。いかに合谷が鎮痛作用に優れているかということが少し感じとれるのではないでしょうか?
まとめ
合谷というツボいかがでしたでしょうか?昔から多くの方の施術に使われて、臨床家に愛されてきたツボが合谷です。専門的になりすぎるので割愛しましたが、他のツボとの組み合わせやツボの取り方で上記以外にもさまざまな効果を引き出すことができます。また機会があればツボの効果ご紹介できればと思います!それでは!
※※※ツボ(経穴)はゴマ粒大ほどの大きさであると言われ、その場所を探すのには訓練が必要です。さらにツボを見つけて適切な方法で刺激を入れることで効果が発揮されます。下手なツボ推しにはお気をつけてください※※※
コメント