ここでご紹介する記事はあくまでも一つの症例です。
経過には個人差があります。
一方で鍼灸にはさまざまな症状に効果があると
考えられていますが現状まだまだ知られていません。
当院の症例を通して一人でも多くの方に
鍼灸の魅力を感じていただければと思います。
目次
施術と経過
来院時の様子
40代 女性
主訴;肩こり、胃の不調、冷え性
以前より肩こりがキツく困っていた。肩こりに伴う眼精疲労や胃もたれなどがあり、普段のQOLが下がっていることに悩んでいた。鍼灸で改善できる方法はないかと当院にお問い合わせをいただく。
所見と経過
初診時
舌診:薄紅〜白舌、歯痕あり、
脈診:沈弦脈、右寸脈大
腹診:臍の上(水分〜下脘)あたりに硬結あり
問診:肩こりは背中全体で凝るような感覚がある。暴飲暴食はしないが胃がもたれることが多い。運動をすると肩こりはやや改善する。
舌や脈から津液の停滞が予測できる。弦脈は気の推動作用の不調で現れるが、その延長線上で痰飲があることも多い。腹診からも脾胃が良い状態でないことは読み取れる。冷えが強く冷えるほど凝りやすい感覚があるとのことなので、脾腎の陽気を高める施術を行う。局所の施術に加えて、背中でお灸を多用し、冷えによる鬱滞を考慮して寛胸作用を持つ経穴を追加。
2~4診目(約1か月後)
初診後は胃がスッキリしたような感覚があり、肩こりも寛解。引き続き脾腎の陽気を補うような施術を続ける。徐々に胃がもたれることが減ってきてり冷えもやや改善。三診目には弦脈から滑脈へ変化。沈脈はまだみられる。局所取穴はなるべく減らして、弁証に忠実な施術へ変更する。
5診目(1か月半後)
施術で笑顔が見えることが増えてきた。体調はかなり改善したので少しづつ通うペースを伸ばしていくことを提案。
振り返り
肩こりはさまざまな要因で起こると考えられるが、脾胃の虚寒の典型例だと思われる。下痢があったわけではないが、便秘は強くみられており、これも今から考えると虚秘や寒秘に近いものであったものだろうと思われる。腹診の硬結が施術をするごとに緩んでいくのが印象的な症例であった。
ここでご紹介する記事はあくまでも一つの症例です。
経過には個人差があります。
一方で鍼灸にはさまざまな症状に効果があると
考えられていますが現状まだまだ知られていません。
当院の症例を通して一人でも多くの方に
鍼灸の魅力を感じていただければと思います。