【症例集】1ヶ月前から不眠の40代男性

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ここでご紹介する記事はあくまでも一つの症例です。
経過には個人差があります。
一方で鍼灸にはさまざまな症状に効果があると
考えられていますが現状まだまだ知られていません。
当院の症例を通して一人でも多くの方に
鍼灸の魅力を感じていただければと思います。

施術と経過

来院時の様子

40代男性
主訴:不眠(中途覚醒)。腰痛。

1ヶ月前から眠りが悪くなり、ここ数日は寝ても1〜2時間おきに起きてしまう日が続いていた。クリニックでお薬をもらい薬物治療中ではあったが効果がなかったので来院された。

所見と経過

初診時

舌診:紅舌、舌尖紅
脈診:滑脈
腹診:心下痞(巨闕あたりに痞えあり)
問診:理由は全く不明だが、寝れない日が出てきて不安感があるとのこと。聞いていると鼻も詰まり気味でそれが寝苦しさにつながっているかもしれないとのこと。

舌の赤みから熱証があることが推測される。心下痞は中焦の昇降失調で起こることが多く、滑脈はそれを裏付ける証拠となる。ただし、脾気虚のみで紅舌が現れることは考えづらい。経穴の反応は足少陰経にしっかりとした虚弱な反応があり、腎陰虚によって気逆を起こして中焦に鬱滞を引き起こしたものと考察した。施術は足少陰経、足太陽経を中心として補腎し、中焦の鬱滞改善するために手少陽経の経穴などを追加で加えた。

2診察目(初診より一週間後)

一番効果を感じたのは鼻通りとのこと。不眠も途中で起きる回数が1回程度まで改善した。中焦の鬱滞が改善されることで、鼻通りがよくなる事は説明できる。舌は舌尖紅がまだ見られため、腎陰虚は改善がされていないと見て、初診時と同様の施術を行う。

4診察目(初診時より1ヶ月後)

週に一回ほど途中で目が覚めることがあったが、他は朝までしっかり寝れているとのこと。今回で一旦施術は終了して経過を見ていただくこととなった。

振り返り

不眠は種類によってさまざまで、非常に改善が難しい種類のものもありますが、この方は症状が出てから早めに施術へ来てくださったこともあり早めの改善を得ることができました。
不眠では舌が紅舌を呈することが多く、眠れないことによって血虚もしくは陰虚といった病態があることが考察されます。紅舌を呈する場合、紅舌の赤みの強さは不眠の程度とリンクする可能性が大きいと当院では考えています。

ここでご紹介する記事はあくまでも一つの症例です。
経過には個人差があります。
一方で鍼灸にはさまざまな症状に効果があると
考えられていますが現状まだまだ知られていません。
当院の症例を通して一人でも多くの方に
鍼灸の魅力を感じていただければと思います。
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