全日本鍼灸学会へ参加してきました

5/30~6/1で開催される全日本鍼灸学会へ参加してきました。学会は基本的に撮影禁止だったのですが、名古屋駅近くということもあり多くの鍼灸師が参加されていました。どちらかというと全日本鍼灸学会は、大学で行われる鍼灸臨床の研究や臨床報告といったニュアンスが強く街の鍼灸院と少し空気が違うのですが、最新の研究事情に触れるいい機会になります。せっかくなので面白かった演題をいくつか紹介しておきます。
救急・集中治療と鍼灸
今回自分が一番興味をそそられたのが「救急・集中治療における鍼灸の可能性を探る」と題されたシンポジウムです。東洋医学ひいては鍼灸は慢性治療に強いという印象がありますが、熊本赤十字病院などでは救急や集中治療の現場でも鍼灸が行われているという内容でした。(集中治療というのは一般では聞き馴染みのない言葉かもしれませんが、コロナが流行っていた時にECMOなどの人工呼吸器をつけて治療される状況をイメージしてもらえると分かりやすいかもしれません。)
集中治療ではせん妄をどう治療するかが大きなテーマとして存在し、せん妄が長引くと死亡率が2割ほど上がるとされています。今回のシンポジウムではこれを鍼灸が改善できるのではないか?という話でした。またエビデンスが確立されていないものの敗血症へ鍼灸が使われる例もあり、こちらも生死に関わるような難しいお病気に鍼灸が応用されている現場の話を聞ける貴重な機会でした。
隙間に鍼灸施術
今のような医療体制になるはるか以前から鍼灸や漢方が使われてきた歴史があり、これが現代で再解釈と応用されているのが今回のシンポジウムだったと思います。もちろん今とは全く違う環境ですので、昔のやり方をそのまま使うわけにはいきません。しかし、まだまだ過去の知恵を現代の医療に応用できる可能性を鍼灸や漢方は秘めているなと感じました。
このほかにも泌尿器科におけるシンポジウムでは、泌尿器科の鍼灸ではおそらくトップランナーの伊藤 千展先生の活動が聞けるなど、多様な鍼灸問対の可能性を感じる学会でした。来年は岡山だそうなので今からしっかり勉強して来年も臨みたいですね。
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