こんにちは、花梨堂の盧です。
針灸院といえば痛みを取ってもらう場所・・・なんてイメージ割とあるのではないでしょうか?というより痛み取る以外で何かあるの?なんて聞かれそうですが、それはまた別の機会に。
腰痛には針灸がオススメ
「電気を当ててマッサージだけじゃどうにもならないよ!」
みたいな方って割と世の中にはいらっしゃいます。あなただけじゃありませんよ。
まぁ時間をかければ(1年以上)良くなることの方が多いのですが、この目まぐるしい現代社会で症状を抱えたまま長い時を過ごすというのは、体感10年は老けるんじゃないの?ってくらいツライです。
科学的にも痛みがあったりすると気分が落ち込みやすくなるなんて話があったりします。そんな時にもうちょっとはやく症状を取ってほしいという気持ちで鍼灸院を頼られることが多いのです。鍼灸師さん腕の見せ所ですね。自分頑張ります。
とはいえ、じゃあ腰痛だったら腰に刺すのかい?みたいな話になりがちなのですが以外とそうでもありません(というか痛いところに刺すだけなら鍼灸師なんて免許なくても、小学生とかの方が器用に刺しそうです)。感覚の世界なんて思われがちですが、腰痛に効く場所なんてのはあらかじめある程度分かってたりします(さすが中国4000年の歴史)。
『針灸甲乙経』という針灸のバイブルみたいな本には腰痛の治し方という項目があり、計23個の経穴(ツボ)が使われています。とりあえず列挙してみればこんな感じ
湧泉、崑崙、委中、小腸腧、中膂腧、上髎、次髎、志室、胞肓、秩辺、気衝、章門、京門
行間、太衝、居髎、陰稜泉、陰包、大鐘、復溜、申脈、陽輔、僕参、殷門、承扶
『針灸甲乙経・腎小腸受病発腹張腰痛引背少腹控睾第八』より抜粋
馴染みのない名前が全部読めたそこのあなたは多分同業者か将来有望な鍼灸師になれます。でもこの23穴全てが腰にあるかと言われればそんなことはありません。
腰以外にもある腰のツボ
上に挙げたツボの中でも腰にないツボが計13穴あります。
湧泉、崑崙、委中、行間、太衝、陰稜泉、陰包、大鐘、復溜、申脈、陽輔、僕参、殷門
半数のツボ(経穴)が腰ではなく足のツボしかも足首に多い
例えば上に挙げた復溜はこんなところにあります。
腰ではなく足にあるツボが復溜です。優秀なツボでこの腰痛以外にも汗をかきやすくなるようにさせたり、お小水の調子を整えたりと色々使えるツボです。
その他にも湧泉というツボ(経穴)もあります
湧泉はちょうど足の裏にあるツボです。昔、鍼を使わないお灸の名医が湧泉は鍼の代わりになるくらい便利なツボだよ言ったという逸話が残ってたりします。
ざっと二つほど紹介しましたが、ちょうど半分の13ツボ(経穴)が腰に効くのに腰のツボじゃないというのがポイントです。ちなみに全て足のツボです。腰以外だと特にくるぶしの内側と外側に集中してたりします。腕にはありません。
「腰を治そう!と思ったら腰だけ触ってちゃダメよ!」
というのがまずは雰囲気として伝わってくれるといいかなと思います。
腰痛は腰だけの問題ではない
考えてみれば自然なことですが、理解されにくいのが「腰痛は腰だけの問題ではない」ということです。人間そんなやわじゃありません。腰だけが調子悪くても、他の背中や足、股関節なんかでカバーして痛みなく日常生活を送っている方々はざらにいます。だいたいの場合、その人の1番つらい症状というのは結果であることがほとんどです。ローマは1日にしてならず。受験に失敗するというのはその日の試験問題を解けなかったことよりも、受験日がやってくる前日までに準備を怠ったことの方が問題なのです。重要なことは「なぜ腰が痛くなったのか」というのを考えることが施術者として大事だと言うことです。
きちんとした治療院に通って欲しい
腰痛で来院される方に聞いてみると、プロ目線で見てなんでそんな事やってるの?と聴きたくなるような施術をしてる治療院があります。患者さん側もしっかりとリテラシーをつけて治療院を選んで欲しいなと思います。具体的言うとこんな施術をされているところはあやしいかもしれません。
- 問診もされずに施術に入る
- 患部を触ったり見たりしない
- 施術方法がどの人でも一緒である
などが見られればいい施術とは言えないでしょう。あなたがもし、上記のような環境で良くなったと言うなら、それはたまたまかもしれません。人の体は本当の意味でよく分からない事がまだまだ多いので、「なんか治っちゃった」なんてことは結構起こり得るのです。ぜひいい治療院に出会ってください。人生変わりますよ。
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