臨床と研究– category –
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【論文抄読会】お腹の不調に鍼って効果があるの?
普段少しずつ読んでいる論文を【論文抄読会】というタイトルで公開していこうかと思います。公開する目的はいろいろとありますが、当院の学術的な活動を知ってもらいたいこと、そして日本で認知されている以上に鍼灸には可能性があり世界中で研究されてい... -
【臨床覚書】肓兪と瘀血
瘀血の所見はさまざまであるが、その一つに臍もしくはその下の圧痛・硬結がある。平田道彦先生は、『痛みの漢方の実際』という本の中で、瘀血の所見として治打撲一方の腹部の圧痛点を挙げている。ツボで言えば肓兪あたりであろうか。 肓兪は当院の臨床で使... -
1-3,『内外傷弁惑論』寒熱を弁ずる
寒熱による鑑別は、鍼灸よりもむしろ湯液で重要視される。繰り返しにはなるが、李東垣は内傷を外感病に正気の虚が加わるもの・外傷を外感病があり正気が充実しているものとして考えている。 李東垣は内傷が頭痛・肩こり・腰痛などの点で外傷(太陽表証)と... -
表証があっても裏虚を優先せよ(傷寒論50条)
これは鍼灸師や漢方家に向けた専門的な記事です。 東洋医学にはいくつかの治療原則がありますが、「表証があっても裏虚を優先せよ」はそのうちの一つです。今回はその原則が生まれるきっかけとなった条文を見ていきます。 原文 脈、浮緊なる者は、法当に身... -
学会へ参加してきました。
全日本鍼灸学会へ参加してきました 5/30~6/1で開催される全日本鍼灸学会へ参加してきました。学会は基本的に撮影禁止だったのですが、名古屋駅近くということもあり多くの鍼灸師が参加されていました。どちらかというと全日本鍼灸学会は、大学で行われる鍼... -
1-2,『内外傷弁惑論』脈を弁ずる
脈を弁ずる 現代語訳 古の医家たちは、人迎と気口という脈の状態によって、内傷と外傷を区別した。すなわち、人迎の脈が気口よりも大きければ外傷、気口の脈が人迎よりも大きければ内傷とみなすのである。この見立ては正しいが、説明がまだ十分ではない... -
1-1,『内外傷弁惑論』陰陽を弁ずる
内傷と外感の鑑別『内外傷弁惑論』 著者の李東垣とは? 『内外傷弁惑論』の著者・李東垣は35を超えてから医術を学んで歴史に名を残した名医であり、現代でも使われる補中益気湯の創作者である。『内外傷弁惑論』は名前の通り、内傷と外感をどうやって鑑別... -
医療功夫小学術大会で発表してきました!
功夫と医療の相互作用!?医療功夫 導引・武術・功夫 功夫が東洋医学と言ったら意外に感じる方も少なくないのではないだろうか?身体を動かして健康を養うことは古くは「導引」と言われて中国で親しまれてきました。 最近でも中国の高齢者たちが健康のため... -
傷寒論43,44条(汗法の鑑別2)
『素問』には、東洋医学の治療原則がさまざま記されているが、陰陽応象大論によれば、病の場所(表裏の違い)によって治療法を変えることの重要性が説かれている。また傷寒論の元になったと言われる『素問』熱論にも、「その未だ三日に満たぬもの(病が浅... -
傷寒論42条(解表と解肌)
中医学の治療法で八法というのがある。汗・吐・下・清・消・温・補・和という八つの治療法のことであるが、このうち汗法(汗をかかす治療法)は古くから用いられ、特に表証において非常に重要な治療法である。傷寒論においてもこの汗法が多く用いられてい...