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老中医による針の症例(胃の痛み)
老中医とは、中医学においてベテランで腕のある者が名乗れる称号です。今日は陸瘦燕リクソウエンという老中医のカルテを見ていきたいと思います。陸瘦燕は教育者としても有名で、現代中医学を代表する老中医の一人です。今日は彼の医案から胃痛の症例をご紹介します。 -
機能性ディスペプシアと薬
不快な症状を呈する機能性ディスペプシア(以下、FD)ですが、どのようなお薬が使われているのでしょうか?機能性消化管疾患ガイドライン2022からまとめてみましょう。 -
全日本鍼灸学会学術大会に参加してきました
鍼灸と他の医療職の連携や診療ガイドラインへの鍼灸の導入・評価方法の模索など多岐にわたるテーマが議論された学会でした。 -
食欲不振の症例(気鬱)
前回のブログでは食欲不振は単純な虚証のものの他に、実証による症例を見てきました。今回は単純な脾胃(消化器系)の問題だけではないタイプの食欲不振を見ていきます。 -
食欲不振の症例・後半(停食)
今回は食欲不振には二つのタイプがあること、また宿食の紹介をしていきます。 -
食欲不振の症例・前半(停食)
一般的に食欲不振は、食欲不振→体力の低下→体重減少と身体が弱っていくので、中医学では虚証と見て施術することが多いようです。しかし中には虚証とは必ずしも言えないような食欲不振が存在しており、一般的な治療で改善しないことが少なくない。今回の症例では、そんな虚証ではない食欲不振の医案を取り上げます。 -
腰痛の症例(温めすぎて悪化する場合)
不調を感じた時に温めたり、冷やしたりするのは生活の知恵ですが今回はそれがいきすぎた場合の症例です。ちなみにこの症例の李士材は『診家正眼』という脈診の有名な著書を書いた人としても知られています。 -
腰痛の症例(高齢者のぎっくり腰の場合)
腰痛の症例検討です。 -
なぜ舌で体調がわかるのか(東洋医学の診察法)
もしかしたら漢方薬局や東洋医学を専門に扱うクリニックで舌を見られた経験があるかたもいるやもしれません。ではなぜ舌から体調がわかるのでしょうか? -
瘀血は黒い血なのか〜中医学から考える〜
先日、SNSで生理時の血の色が黒いと瘀血体質だから気を付けてねという漢方アカウントのポストに、産婦人科の先生が黒い血はただの静脈血であり意味がないという旨の批判のコメントを出されて話題を呼びました。たしかに『中医診断学』でも、問診の項目で「婦人の月経について生理の出血が紫暗で血塊があり、腹痛を伴うものは寒凝血瘀を疑う1」とあります。寒凝血瘀は瘀血の一種で、冷えによって引き起こされる瘀血の一種です。月経時にお腹を温めると腹痛が少し軽くになる方が多いのは、冷えが軽減されそれに伴い瘀血が改善されるためとだ中医学では考えています。話がやや脱線しました。では生理時の黒っぽい血は瘀血と考えてよいのでしょうか?